SWOTの抽出 ~こまめなヒアリングと情報の蓄積を~

BIZミル

 株式会社エイチ・エーエルの太田です。

 経営支援基幹システム(BIZミル)の普及を通じて、多くの経営支援機関、そしてその先の中小企業・小規模企業の支援を行っています。


◆SWOT分析とは

 今日は、経営支援機関の方々であれば一度は聞いたことがあると思われる「SWOT分析」について説明します。(スウォットと読む方が多い)

 ネットで検索すると、SWOT分析の定義や進め方やそもそも否定論など、いろいろ出てきます。ただ、日本政策金融公庫中小企業事業の経営改善計画書(詳細版)にもSWOT分析が記入例としてホームページに掲載されております。多くの人に認知されている分析ツールであり、判断材料であることは間違いありません。

 ここでは、SWOT分析の前段の、SWOTの各要素の抽出の進め方について説明していきます。まずはSWOT分析について説明します。

SWOT分析とは、目標を達成するために意思決定を必要としている組織や個人のプロジェクトやベンチャービジネスなどにおいて、外部環境や内部環境を強み (Strengths)、弱み (Weaknesses)、機会 (Opportunities)、脅威 (Threats) の4つのカテゴリーで要因分析し、事業環境変化に対応した経営資源の最適活用を図る経営戦略策定方法の一つである。

(出典:板倉宏昭 『経営学講義』 勁草書房)
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◆SWOT抽出の前に、ビジョン・目標の設定から

 SWOT分析は、1920年代からハーバードビジネススクールのビジネスポリシーコースの一部として開発されてきた、ハーバードポリシーモデルの一部とのこと。歴史が長いです。

 ハーバードでは、企業や個人の目標が明確である場合、SWOT分析は戦略計画ツールとして有用である。この場合、SWOTの各要素は以下のように表されるといしています。

 強み:目標達成に貢献する組織(個人)の特質。

 弱み:目標達成の障害となる組織(個人)の特質。

 機会:目標達成に貢献する外部の特質。

 脅威:目標達成の障害となる外部の特質。


そこでハタと気づきます。「目標達成に貢献する(障害となる)」が文頭についている

つまり目標設定が必要なのだと。

確かに「優勝を目指すチーム」と「1回戦勝利を目指すチーム」のSWOTは違うはずです。

 また、SWOT分析の書籍などを見ると、強み・弱みからではなく、機会・脅威から行うという記述もあります。

確かに、外部環境が変わると、強み・弱みも変わります。

繁盛しているうどん屋のはす向かいにチェーン店のうどん屋ができたら、強み・弱みも変わるでしょう。

◆そうはいっても・・

 上記の考えは、じっくり腰を据えて取り組む際には有効です。

集中して長時間かけて分析する際には有効だと思います。

 でも、経営支援機関にとって、長時間、1社のために取り組むことはおそらく難しいのではないかとも思うのです。ある時相談者が窓口に来た時にたまたま悩みを聞いた。ある時相談者と飲み屋でバッタリ会ったら顧客の方針が変わったことを聞かされたなど、瞬間瞬間でSWOTの各要素を聞くことはあるはずです。

 そういう業務環境の中で、相談者のSWOT分析を行うためには、

 ① その会社が何をやりたいかをあらかじめつかんでおくこと

 ② 瞬間瞬間で聞いたSWOTの各要素を、何らかの方法で蓄積すること

 ③ やりたいこととSWOTを、俯瞰して見直すこと

が重要になります。

◆やることが変われば、やりなおし

 経営支援基幹システム(BIZミル)では、上記①、②、③を実現すべく、ビジョン・目標⇒SWOTの流れを意識し、SWOTの各要素を格納し、そして詳細分析表にて俯瞰して見直せる仕組みを構築しております。

 最後に、SWOTはある一定時点で測定したCTスキャンのようなものですから、やることが変わったり、環境が変わったら、SWOTの見直しが必要になります。その際にも「過去のSWOT」を加筆・削除することで、一からSWOTを行うよりも、業務時間がグッと効率化されるはずです。

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