株式会社エイチ・エーエルの太田です。
経営支援基幹システム(BIZミル)の普及を通じて、多くの経営支援機関、そしてその先の中小企業・小規模企業の支援を行っています。
◆トヨタの「なぜなぜ分析」
なぜなぜ分析とは、ある問題とその問題に対する対策に関して、その問題を引き起こした要因(『なぜ』)を提示し、さらにその要因を引き起こした要因(『なぜ』)を提示することを繰り返すことにより、その問題への対策の効果を検証する手段である。トヨタ生産方式を構成する代表的な手段の一つです。
当初トヨタ自動車ではこの方法を広めるにあたって『なぜ』を5回繰り返すことを推奨していましたが、様々な分野で使うようになった現在では、必ずしも5回にこだわる理由はなく、真因に辿り着いたかどうかが大切とされています。
私、ずっと「なぜなぜ5回」と覚えていました。確かに「なぜ」を繰り返しすぎると、どんな問題でも「社長が悪い」「上司が悪い」になってしまうような、なんかそんな違和感を感じていました。
◆なぜなぜ分析の事例
「トヨタ生産方式(大野耐一)」の33ページと34ページの「なぜを5回繰り返すことができるか」の中に、機械が動かなくなった時の事例が説明されています。
(1)なぜ機械が止まったのか
オーバーロードが掛かってヒューズがきれたからだ
⇒(2)なぜオーバーロードが掛かったか
軸受け部の潤滑が十分でないからだ
⇒(3)なぜ十分に潤滑しないのか
潤滑ポンプが十分組み上げていないからだ
⇒(4)なぜ十分組み上げないのか
ポンプの軸が摩耗してガタガタになっているからだ
⇒(5)なぜ摩耗したのか
ろ過器が付いていないので切粉が入ったからだ
真因が見つかったので、ろ過器を付けるという改善策を選びます。もっとも今では5回遡るとも限らないようです。
◆問題の真因を探るだけでなく、強みの源泉を探る時にも使える
なぜなぜ分析は、問題の真因を探るだけでなく、強みの源泉を考えるときにも役に立ちます。例えば、
⇒ (1) 強みは?
「味が良い」
⇒ (2) なぜ、味が良いか?
「料理人の技術が高い」
⇒ (3) なぜ、技術が高いか?
「代表が有名ホテル出身。代表がたえず新作を追求している」
などと考えることが可能となります。ここで、目に見える強みがなぜ実現できているかという「源泉」までを考えることで、新しい料理人になっても新作を追求する意識を継続させることで、味の良さを維持する可能性が高くなります。
◆「目に見える強み」と「強みの源泉」
BIZミルでは、「なぜ」を2、3回繰り返すことで、上記のように「味が良い」という「目に見える強み」だけなく、その強みがなぜできているかという「強みの源泉」まで考えていただくような質問を組み込んでいます。
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